席次、席順にこめられたおもてなしの心。席次のマナーPart2

Part1ではタクシーやエレベーターの席次マナーについてのお話しでしたが、ここでは、応接室や会議室などでの席次マナーについてご紹介します。
改めて申し上げますが、様々なビジネスシーンでの状況に応じた座席や立ち位置は、それ自体が目上の方への敬意やもてなしの意味が込められており、とても重んじられています。
室内や空間で、目上の人やお客様をお迎えする場所を「上座(かみざ)」、それに対して目下やおもてなしする側の場所を「下座(しもざ/げざ)」または「末席(まっせき)」と呼んでいます。
基本的に入り口から最も遠い席が上座となり、入り口に近くなるにつれて下座となるのが決まりです。
正しいマナーを身に着けて、ビジネスシーンに役立てましょう。
《応接室》
応接室では基本通り、出入り口から最も遠い席が上座、出入り口から最も近い位置が下座で、上座と下座が向かい合う形で座ります。ただし、部屋の立地環境や室内のレイアウト、椅子の種類、人数などによりそれぞれ変化しますので注意しましょう。
背もたれと肘かけのついた長椅子(ソファ)がある場合は、ゆったりとくつろいで頂くという意味で上座になります。この場合は、出入り口から一番遠い席が最も上座になります。
また、素晴らしい景色が部屋から望めたり、掛け軸やオブジェなどの装飾品類がある場合は、入口に近い席であってもそれらが良く見渡せる席の方が上座とする場合もあります。
《会議室》
会議室における席次の原則は、入り口から遠い席が議長席で最も上座となり、以下入り口に向かうにつれて最も下座となります。
本来は、入り口から最も遠い席が上座となりますが、来客とこちら側の人数が3人など同人数で座る場合は、それぞれの席の中央に座る方が上座となり、その次が出入り口から一番遠い席、一番出入り口に近い席が最も下座となります。
《和室の場合》
床の間のある和室の場合は、床の間に最も近い場所が上座です。
その中でも、床柱を背にする位置が最上の上座にあたりますので、重要度の高いお客様をお通しします。その次が床の間の前、3番目が床脇の棚の前という順番になります。
床の間がない部屋の場合には、入り口から最も遠い席が上座となります。
また、庭園や美しい景色などがよく見えるようにしつらえた和室の場合は、来客からそれらがよく見通せる位置にお通しする事もありますが、その位置が出入り口に近すぎる場合などは、お客様の意向を聞くなどして臨機応変に対応しましょう。
接待などの場合は、お客様は同じ会社(グループ)ごとに並んで座ります。中央が最も上座となり、その次が出入り口から一番遠い席、一番出入り口に近い席が最も下座となります。
上座の位置は部屋の形状、入り口の位置、テーブルの形状などによって変わってきます。