<ビジネスマナー>敬語は各場面でふさわしい言葉を選り分けて使いましょう。

つい使ってしまう間違えやすい敬語
日常生活で使っている「敬語」ですが、意識して使ったことがないととっさの時に間違った言葉が出てしまいがちです。
相手とのコミュニケーションを考える上でも欠かせない言葉遣いの中で、ビジネスシーンに応用できるようなものを紹介します。
1.「○○させていただく」×
「○○させていただく」というのは使い勝手の良い言葉ですが、大抵の場合は別の言葉に置き換えられる事が多いです。また、使い勝手の良い言葉ですので同じ言葉を連発してしまう事があり、会話がワンパターンに感じられます。
本来の使い方としては、「相手に許しを請うことによって、ある動作を遠慮しながら行う意を表す。」という意味になります。相手が存在しない場合はおかしな敬語になるわけです。
誤)「明日はお休みさせていただきます」
正)「明日はお休みをいただきます」
誤)「この案で実行させていただきます」
正)「この案で実行いたします」
また、取引先から「○○さんいらっしゃいますか」と問い合わせがきた時、「お休みをいただいております」と答えるのはNG。
自社の人間の行動に関して他社に説明する時は、謙譲して説明しますので、「休む」という行為に「お」をつけて丁寧語にするのは、違和感があります。また、「いただく」というのは他人から与えてもらうという意味ですが、他社に対して説明するとき、「自社から頂く」という自社を持ち上げた表現を使うのは誤りです。
誤)「お休みをいただいております」
正)「休んでおります」「休みをとっております」
2.「よろしかったでしょうか?」×
いわゆる「バイト敬語」の類です。その場で承諾を得ようとしているのに、「よろしかった」と過去形になっているため、日本語としておかしな表現です。
誤)「よろしかったでしょうか」
正)「よろしいでしょうか?」
これと同じような言葉として、話の最後にお礼として言う「ありがとうございました」も誤りで、会話を聞いてくださり「ありがとうございます」が正解です。また「書類のほうおもちします」は「書類をおもちします」が正しい敬語となります。
※過去の話しに対しての「ありがとうございました」は間違いではありません。あくまで現在の会話の終わりなどに言う言葉としては不適切という分けです。
3.名前・電話番号を「いただく」「頂戴する」×
名前や電話番号は「もらう」ものではありませんので、「いただく」は敬語としては正しくありません。また、名前を聞く時に「頂戴してもよろしいですか」という言葉はよく使われており、一見正しいように聞こえますが、これも間違いです。
誤)「お名前 (電話番号) をいただいてもよろしいですか」
誤)「お名前 (電話番号) を頂戴してもよろしいですか」
正)「お名前 (電話番号) を伺ってもよろしいですか」
4.「○○様でございますね」×
お客様の名前を復唱する場合、「○○様でございますね」は誤りです。
理由としては、「ございます」は「ある」の丁寧語であり、敬意を払うべき相手の名前に「ございます」を使うことは大変失礼にあたります。お客様と名刺交換をした時や、電話を受け相手の名前を復唱する時は、尊敬語 (相手を持ち上げる言い方) が正解です。
誤)「○○様でございますね」
正)「○○様でいらっしゃいますね」
※自己紹介など、自分の名前を伝える時は、○○で「ございます」が正しい表現です。
5.「了解しました」×
同僚、部下などに対してであれば相槌のような使い方になるので問題ありません。おそらく「了解」位の短いフレーズで使うと思います。ですが、上司やお客様に対して使うのは誤りです。
「了解」とは「あなたの事情は分かったから認めてあげますよ」という意味をもっている単語です。そう考えると、目上の人に使うべきではないことがわかります。
誤)上司やお客様などに対して「了解しました」
正)上司やお客様などに対して「承知しました」「かしこまりました」
目上の人との会話や改まった場面など、日常生活でもたくさんの場面で使われますので、失礼のない敬語を使ってみましょう。